自律神経免疫とは
故福田稔医師と故安保徹医師が唱えた理論で病気というのはこの二人の先生の考え方で間違いないと思っております。しかしなかなか理解は得られないところがあり病気になってみないと理解できないところがあります。是非とも健康のうちから少しでも考えて頂けましたら幸いに存じます。 交感神経が、緊張すると血管が狭くなり血圧・脈拍が上昇します。すると白血球の中の顆粒球が、多くなり組織破壊の病気が起こります。顆粒球は、大型の細胞で体内を常に回って細菌やウイルスなどの外的を見つけると細菌やウイルスを食べる白血球です。副交感神経が、緊張すると血管が開いて血流が増加します。緊張しすぎると血管が開き過ぎて血圧が逆に低下します。リンパ球が増えてアレルギー疾患を招きます。リンパ球は、抗原に出会うと形質細胞になるBリンパ球と細胞性免疫に関与するTリンパ球があります。
「自律神経のバランスがくずれることによって免疫が低下して発病し、自律神経のバランスを整えることで免疫を高めて病気を治すことができるという理論です。」
大変、簡単、明瞭な考えですが、この理論によって多くの病気の原因が分かり、分類できるようになりました。免疫学に、新たな見方を与えてくれたといって良いでしょう。
ただ、彼らの多数の著書を読んで気になるのは、「ストレスが万病の元」という考え方です。ある意味では正しいとは思いますが、大変誤解を招きやすい表現ですし、適切ではないように思います。
というのは、「ストレス(刺激)は人間の生存にとって不可欠」だからです。だからこそ、交感神経があります。熟年以降、特に定年をむかえた人々にとって、適度のストレスがなければ、すぐに惚けて新たな世界に旅立つことになるでしょう。(職に就いている人でも、仕事が余りなさそうな方の場合、40代以上で惚けている人は少なくありません。程度の問題ですが、地位の高い公務員や大学の教員などに特に多いように思います。)
元気な高齢者の方は、姿勢が良くシャキッとしています。ストレス(刺激)がなければ、シャキッとならないはずです。
ストレスが病気を招くのではなく、過剰なストレスを持続させること(慢性ストレス)が病気を招くということをご理解下さい。
言い換えますと、昼間、過緊張状態にあっても、夜、熟睡できれば問題ありません。夜の間に、傷ついた細胞の修復がキチンとなされるかどうかが鍵です。
自律神経のバランスとは、毎日、交感神経優位の状態と副交感神経優位の状態の切り替えがスムーズになされているという意味です。
交感神経が活性化しなければ(ストレスがなければ)、副交感神経も活性化しません。どちらも不活性な状態で自律神経がバランスされても意味がありません。どちらも活性化し、相互に切り替わることのできる状態にあることが重要なのです。
過剰なストレスとは、交感神経の緊張を持続させるストレスの意味ですが、個人によって違います。神経質な人の場合、些細なことをいつまでもストレスとして溜め込みます。普通の人にとって、子守歌程度にしか聞こえない車などの騒音でも、その騒音で眠れない人にとっては過剰なストレスになります。ストレスをストレスと感じるかどうかが問題ですから、精神的な要素が大きいと言えます。本来、ストレスには、肉体的なストレスなど様々なストレスがありますが、精神的なストレスが付加される場合が少なくありません。
という言葉がありますが、実に的を射た表現です。
また、免疫の視点では、顆粒球とリンパ球のバランスが重要になります。